素直な改まり


●信心ライブ
「素直な改まり」

金光教放送センター


(ナレ)おはようございます。
 今日は、愛媛県・金光教上宇和かみうわ教会の教師、三好定男みよしさだおさんが、令和2年1月に金光教本部でお話しされたものをお聞きいただきます。
 三好さんは、消防署員の活動を補佐する地元の消防団に入っています。毎年9月に開催される消防訓練大会の選手に選ばれました。その時のお話です。

(音源)昨年の8月末のことです。選手は他の団員の方々から補佐を受けながら毎日2週間、夜7時半から9時頃まで中学校のグラウンドでみっちり練習するのですけど、これがまたハードであります。
 私は、今まで2回選手に選ばれて出場した事があるのですが、昨年は5年間その役で出場されてこられたAさんという方がおられるんですけれど、そのAさんが仕事の都合で出場出来なくなりまして、急遽私がそのAさんの代わりにその役で出る事になりました。
 この役割を指導して下さるAさんがですねえ、ご自身の都合で出られないというところをまあ私は思っていたのですが、そんなAさんに凄く厳しく指導されることで私は本当に辛く感じておりました。私は初めてするというところにはなっているのですが、以前2回、2回ほど出ておりましたので、共通するところも、動作もですねえ、共通する動作もありましたので、まあ余裕を持っておったつもりなんですけど、その余裕がいけなかったようで、厳しく指導されました。その指導がですね、やはり、こうAさんとの関係でいいますと、年齢的に私の方が上だったので、もう少し遠慮と容赦をいただいて指導して欲しいなぁと思いながらおったんですけれども、本当に厳しくて、当然練習開始した2、3日後には、私は本当に憤りを感じておりました。まあ少々のことは、まあ自分も年を取ってですね、なかなか覚えきれないからまあ大目に見て欲しいなあという思いもしておりました。そんな仕打ちを受けていると思っていた私だったんですけれども、本部で御用されている先生の中に、消防団に入っておられる方もおられて、先輩の先生に愚痴を聞いてもらっておる時にこう言うお話をしていただきました。
 「今の時代は師と仰ぐ先生がいない。師匠不在、師匠不在と言われているらしいけれど、本当に不在なのは師と仰ぐ先生の方では無くて、先生を師と仰ぐ弟子の方が不在なのだそうだ」というような、そんな話を聞かしていただいておりまして、そうか、私が指導してくださるAさんの事を、年下のくせにとか、ずっとやってきたんだから出来て当たり前だろうがというふうな思いで、どちらかと言うと教えを乞う姿勢では無くて、まあそういう心持ちで無い、学ばせていただくという気持ちが全く無いという事を、その話を通して教えていただいたような気がしまして。これからは、Aさんの事を師匠として頂いて、ご指導いただこうと言うような心持ちにならせていただきました。
 すぐに行動しようと思いまして、その日の夜の練習からAさんを師匠として頂いていくんですけれども、そうやっていただいて2、3日していくとですね。Aさんの対応がこう変わっている事に気づくんですね。今までちょっとぶっきらぼうにこう教えられてたりとか、そんな事も出来んのかというようななんかこう厳しい突き放されたような、そんな指導だったんですけれども、とってもわかりやすくなって丁寧に、本当に親切に教えて下さいますし、こう自分の事を気遣ってくださるようになったんですね。本当に私はこの事をとても嬉しく思いまして、その師匠不在の話をしてくださった先生に「Aさんを師匠としていただきましたら、教え方もわかりやすくて、本当にこう自分自身が助かるようになりました。ありがとうございます。というような報告をしに行きました。すると先生が「あなたは素直だねえ、本当にやったのかい」というような感じで、まあ話はしたけれども本当にするとは思わなかったみたいなことを言われまして、その場にちょっと恥ずかしいという思いでおったんですけど、また続けて先生が「まあ、あなたの良さはその素直さかもしれんなあ」というふうに言ってくださいまして、そうか素直ということもいい事なんだなあと思いまして、このまま素直でいようということを心がけるようになりました。

(ナレ)いかがでしたか?
 最初はAさんのことが嫌になっていた三好さんでしたが、信頼している金光教の先生の言葉により、心がすっきりと改まり、Aさんと良い関係を築くことができました。
 信心によって心の持ち方が変わり、相手の心に寄り添うことができる。
 私たちの日常でも、こちらの心の持ち方が変われば周りの状況が変わっていくことがたくさんあるように思います。
 三好さんは、人に寄り添い、素直に何でも喜んでさせていただこうと日々願う中で、何より神様が自分に寄り添ってくださっていることを実感できたと言います。
 私たちも素直な改まりができるように、自分の心を大切にして毎日を過ごしていきたいですね。

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